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2026/05/25

【藤進コラム】小学校の「算数」が「数学」に変わる?!

●小学校の「算数」の名称を「数学」に変える―
 
 2030年度にも全面実施される

 次の学習指導要領の改定にあたり、
 
 中央教育審議会(文部科学省の諮問機関)の作業部会で
 
 こんな議論が続いています。
 
 80年以上の歴史がある「算数」の名称。
 
 変えようという狙いは何なのでしょうか。
 
 
●名称を変えようという考えの背景には
 
 算数の段階から単元ごとの理解が追いつかないまま
 
 進級や進学をすることで、

 苦手になる子どもが多いことにあります。
 
 特に小学校から中学に上がり、算数が数学に変わると
 
 苦手に感じる子どもが増える傾向にあります。
 
 国際数学・理科教育動向調査(TI MSS)の23年の結果によると、
 
 算数が得意だと答えた小学4年生が56%だったのに対し
 
 数学が得意だと答えた中学2年生は39%でした。
 
 そもそもなぜ小学校と中学校とで
 
 教科の名称が違うのでしょうか。
 
 
●文科省によると、
 
 数学は学制が発布された1872年度当時から

 中学で使われていました。
 
 一方、算数が登場したの1941年の国民学校令から。
 
 それまでは「算術」という名称でした。
 
 明治時代、小学校の算術が
 
 市民生活で必要な計算方法を教えることを

 目的としたのに対し、
 
 中学校の数学は「エリート養成」を目指したとされています。
 
 算数と数学で名称を分けたのも、
 
 2つを区別する意味があったのではないか、

 と考えられています。
 
 
●海外に目を移すと、
 
 小中学校にあたる学校で教科名を統一している国は多いです。
 
 アメリカやイギリスではMathematics、

 中国でも数学だといいます。
 
 作業部会の議論では、
 
 小学校から中学、高校で学ぶ内容や指導方法に
 
 連続性や印感性を持たせることが重視されています。
 
 名称を統一することで、
 
 算数と数学がつながっていることを
 
 子どもや教育現場に意識つける狙いがあります。
 
 委員からは「教科の一貫性を保つのは重要」
 
 「名称の統一で、小学校から高校までの学びの壁や
 
 段差の解消が進むのでは」との意見が上がります。
 
 
●一方で、
 
 「数学だと児童や教師が難し、最悪距離感を感じる」
 
 といった慎重な声も上がります。
 
 また、名称統一が議題になった今年2月頃以降、
 
 文科省には教育現場などから
 
 「指導上の混乱を招く」
 
 「名称より中身の議論が重要」
 
 といった反発も寄せられるようになったといいます。
 
 
●こうした動きも踏まえ、文科省は慎重に検討を進めています。
 
 名称統一の動きばかりが着目されると
 
 「小中学校の学びの一貫性や連続性を重視する」といった
 
 本来の趣旨が現場に伝わらない、との考えもあります。
 
 
●専門家は、
 
 「名称の問題とは別に、教員は小中学校で学ぶ内容を
 
 関連づけることを意識し、
 
 最終的にカリキュラムそのものも
 
 小中学校を一体で捉えて再構成していく必要がある」
 
 と指摘します。
 
 
 

参照:朝日新聞5/16付記事