- 2024/07/08
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【藤進コラム】なぜ人間は生涯学び続けていくのか。
◇先日、杖をついた男性の方が来塾されました。
外に掲げた漢字検定ののぼりを見て
「漢字検定を受検したくなった」とのこと。
会話の流れで自らお歳をカミングアウトしてくださいました。
齢94、希望された級は準1級です。
◇準1級は本会場受験のみとなるため
最寄り会場を調べて検討します、と退室されました。
後日、改めて来塾くださり
〝今回は交通手段が心配なので受験を見送ります〟と
お返事をいただきました。
◇漢字の勉強は継続しているそうで
テキストを買って学ぶことが楽しい、
そうおっしゃっていました。
◇学習とは、学びとはいったい何なのか、
改めて考えました。
私たちは、設定されているハードルを越えるごとに
猛勉強をします。
○○をパスするため、○○に合格するため、
目標を叶えるため懸命に努力をします。
若く、未来のある子供たちにとっては
それは生きていくうえで大切な過程です。
節目となる過程の結果はどうであれ
そのとき何を感じ、何を糧に自分は頑張ったのか。
頑張り通せたのか。
その挑戦は生涯心に残ります。
成功であれ、失敗であれ
経験の絶対値が大きいほど
心の襞に深く強くその記憶を刻みます。
◇生涯の学習体験は命をつかさどった時から始まります。
生きる証として、生きる原動力として。
男性のように「学ぶ楽しさ」を感じ
「挑戦する」豊かさや心の大きさ、たくましさを培い
人生の宝としていきたい。
そして、子どもたちに培ってもらいたいー
そう強く感じた出来事でした。