- 2025/12/29
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【藤進コラム】2025年を締め括り! 算数・数学の最前線!
1⃣「算数障害」をご存じですか? 早めに気づき、数字と遊ぼう!
●算数障害は知られていないと感じます。
23年に公立小中学校の教員の方121人に行ったアンケートでは
◇算数障害という言葉を知っている 74.1%
◇算数障害の特性について知ってる 27.7%
◇算数障害の指導方法を知らない 99.1%
専門の先生方にも浸透していない言葉です。
●「算数障害」は発達障害の中の学習障害LDに含まれます。
LDは知的な遅れがないにもかかわらず、学習に困難がある状態を指します。
「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」
この5項目の学習能力のうち、
「計算する」「推論する」に困難があるのが算数障害です。
生まれ持った特性によるもので、
本人の努力不足や保護者のしつけのせいではありません。
国内外の研究結果から3~7%存在するとされています。
●脳が情報処理する方法には「継次処理」「同時処理」の2つのスタイルがあります。
前者は順序立てで考える力、後者は複数の情報から関係性や因果性を発見する力です。
算数障害はこの2つの処理能力に極端な偏りがあることがわかっています。
例えば、継次処理が弱いと数の持つ順序を表す性質の理解が難しくなります。
同時処理が弱いと数の量を表す性質の理解が難しくなります。
またワーキングメモリに弱さがあると、継次処理も弱く、暗算がうまくできません。
注意欠如多動症や自閉スペクトラム症を併せ持つこともあり、
それらが影響することもあります。
●要は「小学1年生」です。
小学1年生約100人を調査した発表がありました。
10までの繰り上がりのない足し算で、1割の子供が著しい困難を示しました。
その子達に「1 +4 = 5」と音読させたり、
指で「2」を出したら「3」を出す「5を作るじゃんけん」をさせたりしたところ、
週一回15分2ヶ月間の取り組みで、1人を除く子供に効果を確認できたとのことでした。
子供と一緒に数字で遊ぶと効果があります。
数の性質である基数性の理解につまずきがある場合は
体を使ってものを図る経験を積むことをオススメします。
2⃣ 高校数学A・B・Cを統合へ AIを重視 科目再編案
●高校数学から数学A、B、Cという科目の区分がなくなる方向となりました。
ベクトルや数列などの項目ごとに生徒が選ぶ仕組みに変わる見込みです。
また行列や確率などの基礎的な要素を、
必履修科目の数学Ⅰに入れることも検討されています。
AIやデータサイエンスにつながる内容を
全員が学ぶようにする狙いがあります。
●数学Ⅰと違い、数学ⅡやⅢ、数学A、B、 Cは選択科目です。
早期に文系と理系に分かれる高校もあり、
Bの履修者は45% 、Cは34%と文科省は推計しています。
●一方、文科省がAI技術や数理科学、
データサイエンスを理解する基礎として重視する内容は
確率がA、統計がB、行列はCなどとばらけており、履修しづらいのが現状です。
そこでA、B、 Cをまとめて1科目にし、
学校や生徒が進路希望や関心に合わせて
学ぶ内容を選ぶ仕組みが想定されています。
Ⅰ、Ⅱ、Ⅲと違って学びの順序性がないため、
区分しなくても支障は無いと見られています。
●そして数学Ⅰには
「社会を読み解く数学」と「数学ガイダンス」(いずれも仮称)
の2項目が新設されます。
「社会を読み解く数学」は、行列や確率などの基礎を実生活の事象と関連つけ
AIやデータサイエンスの学びの入り口とします。
また生徒の関心を高めるため、
「ガイダンス」で数学の学習内容の全体像や
社会での活用状況を示す方向でも検討されています。
3⃣ 東京科学大、京都大が「国際卓越研究大学」に
●10兆円規模の大学ファンドの運用益によって
世界トップレベルの研究をする大学を支援する「国際卓越研究大学」制度について、
文部科学省は東京科学大学と京都大学が選ばれたと発表しました。
「国際卓越研究大学」には1期目として東北大学が認定されています。
2期目となった今回は8大学が応募し、
有識者会議が検討した結果、東京科学大学と京都大学が選出されました。
東京科学大学は、来年4月からの支援開始が決まった一方、
京都大学は、学内の体制を強化した上で支援が開始される「認定候補」となりました。